チワワとは?

チワワとは、原産国がメキシコで、体重1~3kg、体高15~23cmの小型犬です。
一般社団法人ジャパンケネルクラブによると、プードルやマルチーズと同じ家庭犬・愛玩犬として分類されています。
「アップルヘッド」と呼ばれている丸い頭と、大きな瞳が特徴的な犬種で、種類は被毛が長いロングコートチワワと被毛が短いスムースコートチワワがいます。
毛色の種類が豊富で、ブラック、フォーン、クリーム、トライカラーなどなどがあります。目の上に「タンマーキング」という斑点が入った、ブラック・タン、チョコレート・タンという毛色もあります。

また、チワワには3種類の体型があります。
ドワーフタイプ
ハイオンタイプ
スクエアタイプ
ドワーフタイプは手足が短く、体全体に丸みがあります。ハイオンタイプは、手足が長くスラっとした体型、スクエアタイプはドワーフとハイオンの中間で、バランスの良い体型をしています。
チワワは古い歴史のある犬です。チワワの祖先犬は、「テチチ」と呼ばれており、メキシコで7世紀~12世紀に栄えていたトルテカ帝国、16世紀に栄えていたアステカ帝国で飼育されていました。テチチは宗教上の儀式に生贄として供えられていたのです。
現在のチワワに近い犬が発見させたのは、1850年頃でした。メキシコのチワワ州というところで3頭のチワワの基礎犬が発見されたのです。その後、チワワの基礎犬はアメリカへ渡り、チャイニーズクレステッドドッグなどと交配され、50年にも渡り品種改良を重ね、現在のチワワの姿になっていきました。
今では世界中で人気のあるチワワですが、最初はアメリカでも人気がありませんでした。アメリカで活躍していた音楽楽団のザビア・クガード氏が飼育をしていたことをきっかけに知名度が上がっていったのです。
日本ではバブル景気が去った1900年代の初めに、少しずつ飼育頭数が増えていきました。特にCMに起用されたことで大きな話題となり、知名度が上がっていったのです。
チワワは、日本の住宅事情に合った犬といえます。
マンションでも十分に飼育が可能な小型犬で、その可愛らしさから愛好家も多い犬種です。

チワワの性格

チワワの性格は、賢く、勇敢で、遊び好きです。飼い主と認めた人には従順です。
種類や被毛の色によっての性格の違いはほとんどありません。
体は小さいですが、動きは軽快で、活発です。マイペースで、猫に性格が似ているところもあり、そのときの気分によって甘えてきたり、そっけなかったりすることもあります。
その反面、デリケートで知らない人や犬には強い恐怖心や警戒心を示す面も持ち合わせています。
「小さい狼」という意味で「ポケットウルフ」とも呼ばれることがあり、吠えやすく、咬みつくこともある犬種です。
そうならないために、小さいからといって過保護に育て過ぎず、子犬のころから社会性を身に付けさせる必要があります。
本来はコミュニケーション能力が高く、賢いので、しつけがしやすい犬種です。
適切なしつけをして、社会性のあるチワワに育てましょう。

チワワのお世話

チワワをお迎えする際には、ケージ、水入れ、エサ入れなど犬を飼う必要最低限の用品はそろえておきましょう。
日常のお世話も、えさやりや水の交換、遊びなど他の犬と同様です。
チワワのお世話で特に重要なのは、しつけ・散歩・被毛のケアが挙げられます。
###しつけ
チワワは過保護に育て過ぎると、自分が一番偉いと思ってしまい、家族を自分より下に見てわがままになることがあります。個体によっては吠え癖や咬み癖が強く出てきてしまいます。そのため、子犬の頃からのしつけが重要です。飼い主がリーダーであることを教え、良いことと悪いことの区別ができるように適切なしつけをしていきましょう。
家族でしつけをする際は、同じ行動をしても怒る人と怒らない人がいると犬も混乱してしまうので、事前にしつけのルールを決めておくと良いしつけができます。
###散歩
チワワは室内を走っているだけでも運動になります。しかし、社会性を身に付けさせるために、できるだけ散歩をする時間を作ってください。
最初は外の環境を怖がるチワワもいます。その場合は、抱っこで散歩をして少しずつ外の環境に慣れさせていきましょう。外の環境の刺激や知らない人、犬との交流で社会性のあるチワワに育ちます。
チワワは暑さも寒さも苦手な犬なので、散歩をするときは、外の気温や犬の体調に配慮してください。気温が低いときは洋服を着せる、気温が高いと地面で肉球をやけどしてしまうこともあるので日が暮れてから散歩へ行くなど工夫をしましょう。

被毛のケア

基本的にチワワにはトリミングは必要ありません。しかし、皮膚トラブルが多い犬種です。日頃からブラッシングやシャンプーをして皮膚の健康を保ってあげましょう。
ロングコートチワワもスムースコートチワワも抜け毛は多いので、定期的にブラッシングをしてください。使用するブラシはラバーブラシやピンブラシで十分です。ブラッシングをすることで、床へ落ちる毛も減らすこともできます。
シャンプーはやりすぎても皮膚トラブルになります。全身のシャンプーは月に1~2回程度で、部分的に汚れが気になる場合は部分洗いをしましょう。

チワワを飼うときの注意点

まず、チワワは暑さも寒さも苦手な犬です。温度管理に注意してください。
寒い冬には寝床に毛布を敷いたり、洋服を着せたり寒さ対策をしましょう。暑い夏にはクーラーが欠かせません。エアコンの効いていない室内でのお留守番や車内への置き去りはやめましょう。
チワワは体も小さく、デリケートな犬です。骨が細く、内臓も小さいので丁寧に扱いましょう。ちょっとした衝撃で骨折することがあるので注意してください。
子犬の頃は、頭蓋骨の前頭骨と頭頂骨の間にある泉門という部分が塞がっていないチワワが多くいます。頭への衝撃は要注意です。
また、先天的に持っている可能性のある病気、罹りやすい病気として、膝蓋骨脱臼、水頭症、気管虚脱などが挙げられます。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、後ろ肢の膝のお皿がずれてしまうことです。
小型犬は先天性の場合が多く、早くて生後1か月~2か月で発症します。
症状が軽いうちは飼い主も気づかないことが多いですが、症状がひどくなると、後ろ肢先が内側や外側に向いたり、膝が鳴ったりします。足を引きずる、ジャンプができなくなるといった症状も出てきます。
症状が軽いときは、経過観察になる場合が多いですが、症状が重いと手術が必要になる場合もあります。

水頭症

チワワの先天的な病気として多く見られます。
水頭症は、脳髄液が必要以上に増加して脳が圧迫させる病気です。脳の構造や機能に障害が出て、知能や行動の異常、てんかん発作などの症状が出ます。内科的治療法と外科的治療法があります。

気管虚脱

気管虚脱は、呼吸をするときに気管の強度が保てずに、空気の流れを妨害してしまうことです。ガチョウの鳴き声のような「ガーガー」という咳が特徴です。肥満、興奮やストレス、のどへの刺激で症状が悪化します。治療は内科的治療か、ストレスになる原因を取り除くことです。また、首輪を胴輪に変えるなど、のどへの刺激をなくすことで症状が緩和します。

チワワをお迎えしたら、まずは動物病院へ行って健康診断を受けておくと安心です。
チワワの平均寿命は12年~15年と長いです。飼育環境、経済面に問題なく、終生飼育が可能か確認してから迎え入れましょう。