ミックス犬とは?

ペットショップなどで目にするミックス犬。ミックス犬とは、異なる犬種を交配させて生まれた犬のことをいいます。「ハーフ犬」「ハイブリッド犬」「デザイナードッグ」とも呼ばれています。

「ミックス犬」と「雑種犬」は同じ意味に思われがちですが、違いがあります。親犬の種類がはっきりしているか、していないかという点です。
犬を外飼いすることが主流で野良犬も多かった頃、飼い主も知らないうちに犬同士が自然交配し、異なる品種の犬が生まれたことで雑種という言葉が使われるようになりました。雑種犬は、どのような犬種同士が親で祖父母なのかわらないのです。
一方、ミックス犬は純血種同士を人工的に交配させて生まれた犬で、親がどの犬種かはっきりしています。

ミックス犬は、親がどの犬種かはっきりしていても、どのような特徴を受け継ぐのか予測ができません。同じ親から生まれた兄弟でも毛質や体格、性格など違いが出てきます。個性があり、成長過程を楽しめるところがミックス犬の最大の魅力といえるでしょう。
さらに、「雑種強勢」という両親の個性を受け継いで、親よりも個性が強化されて生まれるという現象により、ミックス犬は両親犬種の良い特徴を受け継いで、可愛らしい個体が多い傾向にあります。

ミックス犬には決まったかけ合わせはなく、様々な種類があります。
ペットショップなどで目にすることが多いミックス犬を以下で紹介していきます。

チワックス

チワワとミニチュアダックスフントのかけ合わせです。顔はチワワで、体型はダックスの特徴を受け継ぎ、胴が長くて手足が短くなる傾向にあるでしょう。耳は立ち耳の個体、垂れ耳の個体と分かれます。

チワプー

チワワとトイプードルのかけ合わせです。チワワの大きな瞳を受け継ぎ、ふわふわとしたプードルの毛質になる傾向にあります。ぬいぐるみのような可愛さで虜になる人も多いでしょう。

マルプー

マルチーズとトイプードルのかけ合わせで、マルチーズとプードル双方の特徴である丸い瞳と垂れた耳を受け継いでいます。抜け毛の少ない傾向にあるので飼いやすいでしょう。

ポメチワ

ポメラニアンとチワワのかけ合わせです。被毛はポメラニアンの美しい毛並みを受け継ぎ、耳はチワワの大きな立ち耳を受け継ぐ傾向にあります。

ダップー

ミニチュアダックスフントとトイプードルのかけ合わせで、鼻は少し長く、プードルの巻き毛を受け継ぐ傾向にあります。体型はダックスの特徴が濃く出れば手足が短く、プードルの特徴が濃ければバランスの良い四肢の犬になることも。

その他にも、チワマル、ポメプー、ラブラドゥードル、キャバプーなどミックス犬は数えきれないほど種類があります。それぞれに個性があるので唯一無二の犬種を家族としてお迎えすることができるでしょう。

ミックス犬の性格

ミックス犬の性格は一括りにはできません。前述したようにミックス犬には決まった組み合わせがなく、性格も親のどちらの特徴を受け継いで生まれてくるかわからないからです。
例えば、チワックスの場合、ダックスの特徴の甘えん坊な面が強くなることもあれば、チワワの神経質で警戒心が強い面が出ることもあります。マルプーであれば、トイプードルの賢くて活発な面が濃く出たり、マルチーズの負けん気の強い性格が出たりすることも。それぞれ個性があるミックス犬です。飼い主が親犬種の性格を把握しておき、どのような性格でも受け入れて臨機応変に対応できるようにしておく必要があるでしょう。

ミックス犬のお世話

食事は栄養バランスの良い総合栄養食のドッグフードを与えてください。粒のサイズはミックス犬が食べやすいサイズに合わせて選びましょう。おやつや副食はほどほどに。小型犬気質が強い個体であれば、小食や偏食になりやすい傾向にあります。トッピングや嗜好性の良いフードにするなど工夫をしてみてください。

活発で運動量が必要そうなミックス犬であれば、ストレス発散のために散歩に行ってあげましょう。室内でおもちゃを使って遊んであげるのも運動になります。飼い主と遊ぶことは、コミュニケーションにもなるので犬との絆を深められるでしょう。ストレスを溜めてしまうと吠え癖や問題行動などにつながるので、適度に運動してストレスを発散させてあげてください。

どの犬種にも言えることではありますが、子犬の頃からのしつけは重要です。しつけは犬が人間社会で幸せに暮らすためにマナーを学ぶことでもあります。可愛いからといって甘やかしすぎていると、コントロールができない飼いにくい犬になってしまうでしょう。そうならないために、成犬になる1歳までにはトイレやハウス、ボディコントロール、お留守番、社会化などのしつけをしてください。

被毛のお手入れもお世話に取り入れましょう。シングルコートかダブルコートか、巻き毛か直毛か、被毛の量など毛質も様々なミックス犬。トイプードルやマルチーズなど毛が伸び続けるカット犬のかけ合わせであれば、トリミングが必要なこともあります。個性に合わせたカットスタイルを楽しむことができるでしょう。
ポメラニアンやマルチーズ、トイプードルなどの毛質になっているミックス犬は、毛玉や毛もつれができやすいので、自宅でのこまめなブラッシングも必要です。自宅でのブラッシングは、皮膚の代謝を良くするマッサージ効果や皮膚トラブルの早期発見につながります。ピンブラシやコームを使ってやさしくブラッシングをしてあげてください。

ミックス犬を飼うときの注意点

ミックス犬は個性があり、成長過程を楽しめるところが魅力ではありますが、成長後の予測が出来ないところがデメリットになることも。例えば、小型犬と中型犬のかけ合わせでは、成長後の大きさが予測することができません。想像以上に大きくなってしまう可能性もあります。ミックス犬を飼うときは、親犬種の大きさを把握しておく必要があるでしょう。
また、毛色が子犬のときと成長した後では違うこともあります。成長すると想像していた姿とは違う姿になる可能性があると考慮しておきましょう。

前述したように、ミックス犬には雑種強勢という影響が出るため、親犬種の弱い部分が強調されて生まれてしまうこともあります。足腰が悪くなりやすい犬種同士や心臓が悪くなりやすい犬種同士のかけ合わせだと、生まれてくる子犬がその特徴を強く受け継いでいる可能性があるのです。親犬種が先天的な病気を持っていた場合、その特徴を受け継いで奇形で生まれてきてしまうことも。犬種によってかかりやすい病気があるので、飼い主が親犬種の遺伝的になりやすい病気を把握しておき、飼っているミックス犬の健康面には配慮しておかなくてはなりません。

ミックス犬には血統書が発行されないということも押さえておいてください。親犬は純血種なので血統書が発行されていますが、ミックス犬には発行されません。ドッグショーには出られないので注意しておきましょう。

個性があって、唯一無二の存在であるミックス犬。成長後の予測がつかないので想像していたような性格や見た目にならない可能性があります。しかし、それはその犬の個性として受け入れてあげましょう。
ミックス犬には純血種のような飼い方マニュアルがありません。飼い主が親犬の特徴を理解しておき、状況に応じて適切な対応をする必要があります。心配なことや不安なことはショップや動物病院で相談しましょう。